=常滑に向かう=

僕達が半田市の『新見南吉記念館』を後にしたのが2時を少しまわった頃でした、皆さんそれぞれに感動いただいたみたいなのですが旅はここで終わった訳では有りません。その前に今回はグルメでは無く文化的ツーリングを目指したためメニュー等何も無くここに来て全員空腹爆裂!『新見南吉記念館』にもレストランは有ったのですが軽食程度の物で何も半田まで来て食べるものでもなかったのでここでの食事は諦めて次の目的地焼き物の街『常滑』を目指す事にしました。(まさかこの時点では“常滑焼”を食べ物と思ってた人居たかも)

だだっ広い知多半島の景色の中を走る『知多半島横断道路』をひたすら西へ、ものの20分も走るとそこは『常滑』でした。日曜だからでしょうか見える範囲では食べ物屋など何処にも無く空腹にさらに拍車をかけるはめに、着いてしまったものは仕方ないので食事を後回しにして街散策に出る事にしました。

『知多半島横断道路』を行く(撮影パティシエ氏)

『陶磁器会館』駐車場に車を置かせていただき我々が歩いたのは『やきもの散歩道Aコース』(1.5Km約60分)、『陶磁器会館』横から順路を示す案内版にに従い細い道に入ればすぐにゆるやかな登りになります。焼き物の街はこの坂を登った小高い丘を中心に広がり常滑市観光協会常滑支部発行の『やきもの散策道マップ』によると「常滑の焼物は、この丘を中心に暮らす人達と共に歩んできました」と有ります。六古窯の一つに数えられる常滑は平安時代の末より1000年近く続いた伝統有る焼物の街で、伊勢湾に面し海運に適したその立地から古くは瓶や壷などの大きな焼き物が作られてきました。明治以降は急須をはじめ、陶彫、火鉢タイル、衛生陶器(多分便器等?)、土管、植木鉢など生活に密着した様々な焼物が作られてきた街なのです。

(左)陶磁器会館入り口(右)陶磁器会館横を入ればそこにはいきなり土管塀が


     季節は秋!        煙突のレンガも綺麗な花壇に


  黒壁が妙に優しいの

旧い町並みに入って直ぐに『抹茶ソフト』ののぼりの有る陶器屋を発見!陶器より『抹茶ソフト』に興味有る面々がトライ、後の面々は表で待つ事に。しかし、中に入ってみるとさすが陶器屋さんと言った感じで店内一面お洒落で可愛い焼物が沢山並べられていました。しかもどれも手頃な値段で! 結局陶器は買わなかったけど抹茶ソフトも誰も買わなかった訳(多分なのですが)で(お店の人ご免なさい)先を急ごうと皆と合流すべく表に出るとそこには誰も居ず残ってるのは2〜3人、「あれ、皆は?」と聞くと「うどん」とのお答え。「うどん」(?)と思いきや抹茶アイス陶器店斜前の細い路地に確かに平仮名で『うどん』の幟が、皆さん遂に空腹には勝てず食い気に走った模様、という僕達抹茶アイス陶器店見学組みとて同じ事、すぐさま皆さんを追いかけるべく細い路地を下るのであります。


お店の前には確かに緑のソフトの看板が    路地から見た街景、何となくいいんですよ!

(おい、おい、順路はそっちじゃないっての)

細い路地にて間もなく皆さんと豪遊いや合流、この路地散策ルートでは無いのだが両側の壁や路面には土管やら瓦が埋め込まれててなかなかの雰囲気を醸し出しておられましただ。例の『うどん』の幟に誘われるまま土管だったか瓦だったかそれとも単なる石だったか(細かい事は憶えて無いのですが)で築かれた細い急な階段を下りるとそこにはまるで映画のセットを想わせるような一角が現れました。何軒かの陶器屋が軒を並べるこの一角に例の『うどん』の幟の正体『たんぽぽ茶屋』が有りました。我々は全会一致(誰も反対するはずがない)でここ『たんぽぽ茶屋』で食事にありつく事が出来たのです。

お洒落なたたずまいの『たんぽぽ茶屋』、中に入ると3人の女性が忙しそうに働いておられました。少し人数が多かったので心配だったのですが何とか席も確保してくださり全員着席しいよいよ食事なのです。で、ここに来て『うどん』を注文するのかと思いきや皆さんそろって『タンポポ御膳』(日替わりランチです)を注文してしまいました。御飯に魚と味噌汁とサラダと一品と漬け物といった感じのランチで魚と一品が毎回替わるらしいのですがこれにオプションで『タンポポコーヒー』(タンポポの根っこのコーヒー)を頼んでしまいました。ただし一部の方は御飯と食後の飲み物の代わりにビール頼んでた族も結構いましたが(ノンアルコールビールとでもしておきましょうか)。この日の魚は物凄い太い秋刀魚でした。アルコール定食の方々は何か違った魚(確か煮付け?)だったように記憶してるのですが。

たんぽぽ茶屋        やっと食事にありつける面々       たんぽぽ御膳!


やがて食事も無事終わり店を出た我々の目に飛び込んで来た物は『たんぽぽ茶屋』の周りに映画のセットの様に軒を連ねる何軒もの小さな陶器店でした。ここには何と言うか妙に活気がありました。どうやら若い作家達がアトリエと工房を兼ねてここで店を出してるって感じでした。



=街散策再開=へつづく........

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