シリーズ『2CVを直す』

僕のやつポイント調整の巻




おっちゃん'sガレージ

<2005年1月17日(月)晴れ時々曇り>

=作業する人々=

おっちゃん

Report&Photo by,おっちゃん

by、Cried Light West



 去年(2004年)の年明けにポイント不良からノッキングにバックファイヤーとトラブルが続きポイント&コンデンサーを交換してから一年が経ちました。あれからどれくらいの距離を走ったか定かでは有りませんが毎日の様に2CVを利用して週に二日は和歌山〜大阪間約80Kmを往復したりはたまた出張だ何だで四国だの岡山だの滋賀だの長野だの言ってる間に随分走った実感が有ります。去年(2004年)暮れよりトルク不足と発進や加速の際に弱いノッキングや息つきを感じ出したので念のために1年ぶりにポイントを触ってみる事にしました。とは言っても今回は交換では無く調整に終始しました。

と、その前に原因をポイントに決めつける前に念のためプラグの交換をしました。貧乏人の僕は普段国産のB6HSを使ってるのですがこの時はこの品番の予備がなく試しに以前付けて殆ど使っていなかったBP6HSを付けたところ始動性はダウン、んでもってかかったところでバックファイヤーよろしくまさに点火時期が合って無い症状が現れたのでポイントを調整してみる事にしました。ちなみにプラグを元に戻すと症状は出ませんでした。


以下ポイント調整の手順を簡単にレポートしますね。


2CVのポイントはエンジンの前の方早い話がプロペラ(ファン)の後ろというか奥に有ります。と言う訳でボンネットを開けてファンカバーに付いてる網(魚焼きみたいなネット)を外します(11mmネジ4個で止まってます)。で次にプロペラ(ファンて書くよりこの方が何となく可愛らしい気がする)を外すのですがこれには先ずプロペラのセンター穴奥に有る14mmのネジを外します。本当はファンベルトを緩めるためオルタネーターの固定ネジも少し緩めるのでしょうがそんなんせんでも行けます(行けました)。さて、ここからが何も知らない多くの方々が苦労してプロペラを外そうとするもののプロペラがなかなか外れない事から外すのを諦める事になる場面なのですが以下写真を参考にしていただければあなたもプロペラ名人!(ほんまか)。


実際なかなか外れないプロペラですがこうすれば簡単に


 
(左)センター穴にピッタリはいる棒インサート (右)棒を抉じれば簡単に外れます

そう、復唱するとプロペラセンター穴に穴とピッタリ(大体でよいかな)の鉄棒などを差し込み上下あるいは左右に適当にグリグリ、これだけで悩み解消簡単に外れます。反対に取り付けは プロペラを差し込んでセンターの14mmのネジを締めるだけでOKです。


プロペラが外れたらいよいよ奥のポイント(ボックス)に挑みます。


 
(左)プロペラ外れた図   (右)表面のゴムカバーを捲る


プロペラが外れたら今度はポイントボックスを覆ってる表面のゴムカバーを捲るとポイントボックスが現れます。ゴムカバーを捲るにはカバーを押さえてる下側のネジ(8mm)を最低3本(右写真では5本)外します。この状態でゴムカバーを捲り上げるとポントボックスが出て来ます。ポイントはこのボックスの中に有りコンデンサーはボックスの外に有ります。下の写真はポイントボックスの蓋を開けた状態で蓋は表面のマイナスネジ3本を外せば開ける事が出来ます。





独り作業だったので肝心の作業の写真の一部撮影を忘れてしまってるのですが以下ポイント調整ダイジェストです。



こんな所に穴が!

エンジンを真上から見て右側、取り付けネジ下辺りに5mmくらいの小さな穴が開いてるのですがお解りか?(上写真参照)。 ここに釘でもなんでもええのですが(僕はヘキサゴン使いました)差し込んでください。すると貫通して先はフライホイルを触ります。そのまま気にせずフライホイルを回して行くとその釘なりヘキサゴンなりがフライホイル側に開けられた穴に入り込みます。この位置がポイント調整の基準位置でもちろんここでフライホイル回しはお終いです(勿論キーはOFFにしておいてくださいね)。


で、そのフライホイル回しはどうやるのかって言うと。(下写真)



フライホイル回しはこうやる

プロペラを外す際最初に外したセンターの14mmのネジを取り付けラチエットなどで回せば簡単に回ります。このようにして ポイント調整の基準位置が出たらフライホイルのギヤの分かりやすい所にペイントマーカーなどで印を付けておきます。(下写真)



印を付ける


基準位置が出たらこの時点でポイントボックスの中心で回転しているカム(円錐形のやつ)が垂直になってポイントを押し広げてるはず。この広げられた幅がポイントギャップでこの時にシックネスゲージを使い規定の幅(ギャップ)に調整します。調整仕方は、ポイントボックスの中でカムの右横くらいに有るポイントを止めてるマイナスネジを少し緩めます。シックネスゲージで規定の厚さの物をポイントギャップに挟み込み先程緩めたポイントを止めてるマイナスネジを締めればOK。ポイントギャップですが大体0.45mmくらいが僕の以前の経験では良い感じでした。でも現在僕のエンジンは原因不明なのですがある日突然カムが20°右に傾いてしまいこの位置ではポイント調整出来ないのでかなりテクニックを要すのです。(謎)

実はこのポイントギャップ調整こそ写真が必要なのですが、今回独り整備だったので片やマイナスドライバー、片やシックネスゲージ状態だったのでカメラ片手に取材が出来ませんでした。不明な点はBBSに書込んでくだされば誰かが答えてくれるかも知れません。がくれないかも知れません。(苦笑)

この状態でOKと言えばOKなのですがついでだから点火時期も調整しました。本当はここで電球にワニ口クリップ付けたやつもしくは市販の検電器使ってヘインズマニュアルに有るように点火時期のええ所を探るのですが今回は省略。

 

上の写真左はタイミングライトで回転する(エンジン始動)フライホイル(さっきマーキングした上から)を照らしている所です。タイミングライトの使い方はその取説に有ると思うのでここでは省略しますが点滅するタイミングライトの光を回転するフライホイルに当てるとさっきポイント調整の基準位置を出した時ペイントマーカーでマーキングした印が浮き出て来るのです。この『光り出された印』を見ながら右写真のようにポイントボックスを左右に動かしてみると『光り出された印』が左右に移動します。またエンジンのアイドリングも上がったり不安定に成ったりと変化します。『光り出された印』がセンターに有ればだいたい基準で左に移動したら点火時期は早く右だと遅いって事に成ります(確か)。僕はフライホイルのギア1メモリ分くらい早めてみました。

あとは元来た工程を逆に組めば出来上がり。プロペラのセンター14mmのネジを締める時クランクも一緒に回ってネジが締められないのでフライホイルのギザギザにマイナスドライバーなど噛まして止めておくと締め付ける事が出来ます。(下写真)


 
(左)プロペラ装着   (右)こうすると供回りせずFB


今回の整備の結果、ノッキングや息つきも無くなりトルクも増した感が有ります。何よりも『2CVってこんなに力強く走る車なんや』って実感再認識してます。しかし、二日連続徹夜のレポートはしんどいわ。何で寝てない奴って自慢するんやろかなあ?

『俺、寝て無いねん』

って。

2005/01/19
by,おっちゃん




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