シリーズ『2CVを直す』

吉野君のフロントブレーキOHの巻




おっちゃん'sガレージ

<2005年1月16日(日)曇り>

=作業する人々=
吉野君(大阪の)
おっちゃん

Report&Photo by,おっちゃん

by、Cried Light West



  2004年11月の高野龍神ツ−リング の際途中でフロントブレーキのパットを交換した吉野君の2CVのフロントブレーキを徹底的にOHしました。前回ツ−リングの際交換したパットは僕がかなり使い古した物だったため今回は吉野君が仕入れて来た新品のパットに交換、またパットがすり減った状態で長い事乗ってた気配だったので削れて古く成ったディスクローターの交換をする事に成りました。またついでにブレーキキャリパーのOHもやってフロントブレーキは綺麗さっぱり新しく成りました。今回は仕事を憶えてもらうために作業は吉野君自らの手によって行われ僕は横で段取りを言ってるだけでした。

お昼頃に集合してガレージに向かい先ずはフロントのパネル類を取っ払ってエンジンルームをむき出しにしました(上表紙写真参照)。2CVの整備の基本はこのお姿からと言っても過言では無い気がするのですがこの姿にするには以外と簡単で慣れれば5分とかからないのです。ジャッキUPして勿論ウマをかましてさあ作業の始まり始まり。


2CVは81年以前はフロントもドラムブレーキだったのですが81年以降はディスクブレーキが使われるように成りました。今回の吉野君の固体は90年式(最終型ポルトガル製)なので勿論ディスクブレーキ。因に僕の所有する2台の2CVですが『クラブ』は80年式なのでドラムブレーキで『チャールストン』は82か83年式なのでディスクブレーキなのです。一般に2CVのブレーキオイルにはLHMを使うのが常識とされていますが フロントドラムの2CVには普通のブレーキオイルを使います。知らずにLHMを使うとトラブルを起こします。今回の 固体はフロントディスクですから迷わずLHMを使いました。因に2CVのディスクブレーキはホイル側では無くミッションサイドに有ります。うまく表現できませんがエンジンルームの中に有るのです。写真はキャリパーを上から写した物。 (既にパットと油圧パイプ類は外されてます)



前回ツーリング時にRiさんの手によって交換された僕の古パットも古いとは言え使えない物ではなかったのですが削れたディスクローターの前では短命極まりないものだったみたいで11月に交換して僅か2ケ月程で恐ろしい事に!


 
(左)もう限界のパット  (右)サイドブレーキも解除

 
(左)キャリパー外れたお姿  (右)外したキャリパーOH前

パットが短命だった原因は使い古しパットだと薄くなってるのでパットの厚さよりすり減ったディスクローターの溝の方が深かったためでした。お陰でパットの両端が擦り切れた恐ろしい状態でした。

さてキャリパーを外して次はディスクローター交換にアプローチするのですがその前についでですから吉野君が 英田舎 から買って来たキャリパーOHキットにてキャリパーをOHすることにしました。作業は簡単、キャリパーピストンを抜いて中の輪ゴムみたいなゴムパッキンを交換するだけなのですがこのキャリパーピストンがなかなか抜けない。今回はパットを抜いた状態でブレーキを踏んで油圧である程度までピストンを出しておいてあとはキャリパーを外した状態でエアーガンを使って油圧系のパイプがささってた穴から空気を入れて(もう片一方の穴は塞いでおく)空気圧で抜きました。『もう片一方の穴は塞いでおく』と書いたのですが、僕はキャリパーとミッションの間に挟まってるコの字ワッシャをキャリパーのまん中に挟んで仮で組んだ状態でエアーを入れました(うまく表現できないで御免なさい)。とにかくエアコンプレッサーが一台有ると作業が楽ですというか無いと大変か無理かも。


 
(左)キャリパー洗浄する吉野君 (右)ピストンを外したキャリパー


キャリパーのお掃除も一段落して輪ゴムのパッキン(手前と奥と二種類有り形状が違うので外す際どっちがどっちか必ず憶えて置く事 )を付けて後はピストンを組み込みます。組み込む際潤滑に僕はシリコンスプレーを少し使いました。

さてキャリパーが出来れば次はディスクローターです。ディスクローターはドライブシャフトと共締されてるのでその星形みたいな6個のネジを外します。取り外す際ディスクローターのクールダウン用のカバーが下から邪魔するはずなので面倒がらずにカバーも取ってしまいましょう(後で付ければいいのですから)。ちなみに僕達はカバーを外さず別の方法でローターを外しました。6個のネジを外すとローターは簡単に外れます。


 
(左)ディスクローターを外してみると (右)それはまるでレコード盤!!


あとは新しいディスクローターを付けてドライブシャフトを付けて綺麗にしたキャリパーを付けてブレーキ&サイドブレーキパットを付けてサイドブレーキ付けて配管(ブレーキ)してエア抜きしてサイドブレーキ調整してタイヤ付けてカバー類付けて配線したら完成なのです。 (手抜きレポートで御免なさい)


 
(左)装着作業開始!  (右)装着!あとは配線&配管

 
(左)タイヤも装着! (右)エア抜きとサイド調整直後


ブレーキのエア抜きの際は後輪からというかマスターシリンダーから遠い順に行います。サイドブレーキの調整も慣れれば早いです。(ってなんか滅茶不親切なレポートに成って来たよな)=笑=


 
(左)カバ−類装着  (右)間もなく完成、奥は僕が今直してるクラブ


作業終了!


写真からわかるようにお昼1時に始まった作業が終わったのは夜8時半でした。2CVは部品代が安いのと今回ディスクローター等は僕の手持ちの新品(だけど古い『新古』シンプル)部品を安くあるいは只で分けてあげたうえに作業も自分達でやったので 殆どお金を使う事なく事が運びました。昔僕がワーゲンタイプ3時代に同様の修理をワーゲン屋さんに頼んだら22万かかって2年ローンで払ったのは何だったのだろう?と考えさせられる 今回のシリーズ『2CVを直す・フロントブレーキ編』でした。






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